以出齋 | Itshoh Tse

禮以行之 孫以出之 信以成之

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【韻鏡考】第二章 韻鏡の我が國に入れる以來の狀況

【本文】 第二章 韻鏡の我が國に入れる以來の狀況 韻鏡は、何の世、誰の作なるか未タ詳かならず。南宋の張麟之といふが、少年の頃、之を得て字音を研究し、晩年に之を訂正したるを、紹興三十一年(我が二條天皇應保元年。)初めて刊行し、慶元三年(我が後鳥…

【韻鏡考】第一章 韻鏡とは如何なるものかるか

【本文】 第一章 韻鏡とは如何なるものかるか 抑も支那にては、古今に涉りて讀書音と方音とありて、讀書音は、隋唐時代には、南北大體同じかりしこと、玉篇と廣韻との反切に大差なきにて知るべきなり。而も口舌上、反切の發音は異なる所ありしかば、隋、天下…

【韻鏡考】敍説

【本文】 韻鏡考 大矢 透 敍 説 著者が假名通考編述の事に從ひてより、既に數星霜を經過したり。而も天賦の魯鈍なる、自ら鞭撻すれども事、意の如く進捗せず、僅かに本編第一篇、假名源流考、第五篇音圖及手習詞歌考、外編第一篇、周代古音考の刊行せられた…

【韻鏡考】目次

韻鏡考 目次 敍説/一頁 第一章 韻鏡とは如何なるものなるか/三頁 第二章 韻鏡の我が國に入れる以來の狀況/七頁 第三章 韻鏡の歸字の時代の觀察/九頁 第四章 韻鏡の原型の尋繹/十三頁 第五章 韻鏡の原形は夙に隋代に成れり/十七頁 第六章 音圖製作の目的及び…

【韻鏡考】要項

【本文】 讀音に對し著者が特に注意を請はんとする要項 第一、音圖成立の時代 宋以來、音圖は唐末以後のものなるべく謂へるに、編中、韻鏡は隋唐以上の切韻圖の宋末に傳われるものなりと爲せり。こは唐初の武玄之が韻詮の悉曇藏に引かれたるに、既に同式の音…

【韻鏡考】凡例

【本文】 韻鏡考 凡例 一、此の篇は、假名通考外篇第五篇にして、韻鏡に對する諸般の事項を考證し、解釋したるものなり。 一、韻鏡は、我が國に於いて、古今の字音を論ずるものの標準とせらるること既に久し。しかもこは、本來宋人が、宋代當時の字音を標準…